
AIの波は、企業の効率化ツールから、仕事や日常生活へと急速に広がりつつあります。ブランドが次に向き合う課題も、「AIを導入しているか」から「AIによって、より多くの人が恩恵を受けられる価値をどう生み出すか」へと移行しています。BIG DATAが運営する台湾最大のデータ分析プラットフォーム『網路溫度計DailyView』は本日9月29日、「2026 第9回 網路口碑之星(DailyView Best Reviewed Awards)」の授賞式を開催しました。
年間テーマに「AI共好(AI for Good)」を掲げ、世論分析ソフトウェア『KEYPOビッグデータ検索エンジン』とAIによる意味解析を用いて、『ESG・サステナビリティ』『観光・レジャー』『生活消費』の3分野・14業種から、優れた成果を上げた27社を表彰しました。個人賞では、鴻海科技集団の劉揚偉会長が2024年に続き「年間ネット好評影響力企業リーダー賞」を再受賞。人気IPキャラクターの『貓貓蟲咖波(Bug Cat Capoo)』が「年間ネットリーダーYouTuber賞」を初受賞し、李多慧氏が「年間ネットリーダーチアリーダー賞」を連覇しました。「年間ネット好評影響力SNS担当者賞」は、台湾鉄路(台鉄)の公式SNS担当者が受賞しました。
授賞式には、台北市の李泰興副市長、台湾デジタル発展部デジタル産業署の童明慧主任秘書、台湾デジタル信頼協会の詹婷怡理事長が来賓として出席し、表彰のプレゼンターを務めました。あわせて、『2026年度トレンド観察レポート』も発表されました。同レポートによると、「AI共好」に関するネット上の話題は前年比134%増となり、年間のAI関連の話題は累計1,252万件を超えて、年間で最も話題になったトピックの首位を維持しました。AIの急速な普及に伴い、市場の関心が技術の導入から、信頼、活用、社会での共有といったテーマへと広がっていることがうかがえます。BIG DATA会長で『網路溫度計DailyView』共同創業者の金志丞は、「企業はAIを『使う』フェーズから、AIと『協働する』フェーズへと移りつつあり、AIは企業の判断や意思決定にも関わるようになっています。AIが生成するコンテンツが手軽になるほど、真偽の境界は曖昧になり、『真実』と『信頼』こそが、より希少なブランド資産になります。これまでブランドは、話題量、好感度、エンゲージメントに注目してきましたが、今後重要になるのは、消費者がそのブランドをどれだけ信じているかという問いです」と述べています。こうした認識のもと、同社は長年蓄積してきたデータと多面的な観測を土台に、市場が拠りどころにできる判断材料を提供すべく、新たに「信頼温度」を近日中に公開する予定です。ブランドが「見られる」ことだけを追うのではなく、自らが本当に「信じられているか」を理解できるよう支援してまいります。

AI共好の話題量は前年比134%増 Threadsの生活密着型の交流がブランドの口コミの新たな舞台に
AIは、年間で最も注目されたトピックとなっただけでなく、企業への浸透も加速しています。AIの活用が広がるなか、企業が次に直面する課題は、技術の導入から、より多くの企業やユーザーがAIを「手の届く形で、上手に使える」ようにすることへと進んでいます。『KEYPOビッグデータ検索エンジン』による観測では、「AI共好」に関するネット上の議論は前年比134%増となりました。5つの議論の切り口をさらに分析すると、「AI教育・リテラシー」の伸びが最も大きく、前年比178%増でした。前年の人気キーワードが「生成AI」「変革」「通信」に集中していたのに対し、今年は新たに「連携」「倫理」「教師」が上位に加わっています。AIをめぐる議論が、企業自身がAIをどう使うかから、誰と取り組むのか、誰のために行うのか、どのようなルールを守るべきかへと広がりつつあることを示しています。
同時に、SNSプラットフォームの勢力図も、ブランドと消費者の関係づくりの在り方を変え続けています。『KEYPOビッグデータ検索エンジン』の観測では、主要SNSではFacebookが引き続き首位で、最も急成長を遂げているのがThreadsでした。Threadsの人気投稿を分析すると、「日常・気持ち」と「交流・リレー投稿」が合わせて6割近くを占め、1投稿あたりの平均シェア数は32回と、Facebookの平均5回の6倍以上に達しています。リアルタイムの体験や日常のシェア、ユーザーによる主体的な参加が、ブランドの口コミが広がる新たな舞台になりつつあります。BIG DATA COOの蔣志薇は、「AIとSNSの急速な発展は、ブランドの影響力を再定義し、ブランドと消費者の関係づくりも変えつつあります。かつては、ブランドがコンテンツと発信のリソースを握っていましたが、いまやAIがコンテンツ制作のハードルを下げ、SNSによってすべての消費者が情報の参加者であり、発信者となりました。ブランドの影響力は、どれだけ露出を生み出したかだけでなく、どれだけ多くの人が参加し、共感し、自発的にシェアしてくれるかで決まります。今後ブランドが本当に取り組むべきは、消費者をより深く理解し、一つひとつの接点を信頼の蓄積へと変えて、長期的で持続的な影響力を築くことです」と述べています。


信頼、AI、ESGの視点から 専門家が語る「AI共好」の実践への道筋
今回のテーマ「AI共好」を受け、授賞式では「AI共好:テクノロジー、信頼、サステナビリティの新たなバランス」と題したフォーカストークを実施しました。台湾デジタル信頼協会の詹婷怡理事長、BIG DATA社長の温紹郁、鴻海精密工業サステナビリティ委員会推進室マネージャーの黃奕誠が登壇し、「Trust(信頼)、AI、ESG」の3つの観点から、デジタルの信頼がAI時代の基盤となるにはどうすればよいか、企業はAIによるイノベーションとデータの信頼性をどう両立させるか、大手製造業はAI活用とサステナビリティ転換をどう相互に支え合えるか、について議論し、テクノロジー・信頼・サステナビリティを兼ね備えた「AI共好」の実践への道筋が描かれました。
詹婷怡理事長は、AIがツールから企業の中核業務へと入り込むにつれ、企業が直面するのは技術の問題にとどまらず、信頼の問題でもあると指摘しました。「責任あるAI」は、透明性、説明可能性、信頼性、説明責任を土台とすべきであり、整備されたAIガバナンスと人間とAIの協働の仕組みによって、イノベーションが信頼に足る環境で発展し続けられるようにすべきだと述べています。温紹郁社長は、企業でのAI実装という観点から、真の課題はモデルやツールの選定だけでなく、信頼できるデータ、業務フロー、組織の人材をいかに統合し、AIを日々の運営に根付かせるかにあると語りました。「AI共好」の鍵は、AIを一部の企業や技術先進者だけの強みにとどめず、規模の異なる企業やより多くのユーザーが使えて、信頼できる状態にすることであり、技術の進歩を、多くの人が分かち合える価値へと転換することだと述べています。
ESG実践の観点からは、黃奕誠マネージャーが、「企業が持続的に経営を続けるにはEPS(1株当たり利益)とESGの両立が欠かせない」と述べました。AIは意思決定の迅速化や運営効率の向上にとどまらず、その技術的恩恵ををサプライチェーンやパートナーにも広げるべきだとし、企業は自らが速く走るだけでなく、パートナーと共に遠くまで歩む必要があり、「有言実行」を積み重ねることで、AI、ESG、信頼の好循環が生まれると語っています。

國泰綜合證券がデジタル証券部門で4年連続受賞 27社がブランドの口コミ力を発揮
今回の「網路口碑之星」は、「ESG・サステナビリティ(SDGs)」「観光・レジャー」「生活消費」の3分野に焦点を当て、14業種の中から「先導イノベーション賞」と「戦略優秀賞」を選定し、計27社が表彰されました。年間のネット上のデータを見ると、AI、サプライチェーン、サービス体験、消費スタイルの変化が、各業界の口コミにも明確に表れています。なかでも、國泰綜合證券(Cathay Securities)は4年連続でデジタル証券部門を受賞し、今回の企業賞のハイライトの一つとなりました。鴻海精密工業(Foxcom)はネット上のエンゲージメントが68%、好感度が80%向上。華邦電子(Winbond)はポジティブな話題量が101%、エンゲージメントが229%増加しました。AI、サプライチェーン、市場の急速な変化のなかでも、ブランドの口コミ力を着実に積み上げていることを示しています。
業界別の議論を見ると、AIはさまざまな消費・サービスの場面にも浸透しています。観光・レジャー分野では、チェーン飲食における「AI活用」の話題量が前年比35.9%増加。そのうち今回受賞した路易莎(Louisa Coffee)は、エンゲージメントが77%、AI関連の話題量が169%増。漢來美食(Hi-Lai Foods)は、エンゲージメントが50%、AI関連の話題量が344%増と大きく伸びました。プロスポーツも今回の口コミ成長のハイライトです。受賞した樂天桃猿(楽天モンキーズ)は、エンゲージメントが120%、ポジティブな話題量が78%増。味全龍(味全ドラゴンズ)は、エンゲージメントが26%、ポジティブな話題量が13%増となり、観客動員数が過去最高を記録し、満員の観客に関する話題量が36%超増加した動きとも呼応しています。
生活消費分野では、動画配信とEC・サービスが好調でした。遠傳friDay影音(Cathay Securities)は好感度が51%、総話題量が32%増。Netflixはエンゲージメントが51%、ポジティブな話題量が前年比29%増となりました。今回受賞したKlookは、AIカスタマーサポートが問い合わせの3分の2に対応し、解決率9割を達成。「AI共好」をサービス体験として落とし込んだ具体例といえます。テクノロジーの活用、コンテンツ、サービス体験が一体となって、生活者のブランド評価に影響していることがわかります。

劉揚偉氏が企業リーダー賞を再受賞 李多慧氏はチアリーダー賞を連覇
個人賞では、鴻海科技集団(Foxcom)の劉揚偉会長が、2024年に続き「年間ネット好評影響力企業リーダー賞」を再受賞しました。過去1年間のネット上の言及は累計18,689件に上り、そのうち62%がAIに関するものでした。企業のAI変革からスマート医療まで、テクノロジーイノベーションが産業と社会的な影響力を広げ続けています。李多慧氏は「年間ネットリーダーチアリーダー賞」を連覇しました。年間の話題量は59万件近くに達し、前年比32%増。個人としての影響力を、障がい者支援のチャリティ活動、薬物・飲酒運転の撲滅啓発、花蓮での災害支援といった公共的な課題にも広げています。
初めて「年間ネットリーダーYouTuber賞」を受賞した人気IP『貓貓蟲咖波(Capoo)』は、セリフのない、言語を超えたコンテンツを6つのSNSプラットフォームで展開。YouTubeのチャンネル登録者数はこれまでに300万人を超え、今年のエンゲージメントは38%増加しました。台鉄は「年間ネット好評影響力SNS担当者賞」を受賞。ユーモアがあり、タイムリーで温かみのあるSNSコミュニケーションで好感を積み上げており、花蓮の台風被害の際に発信した「鏟子超人(スコップ・スーパーマン)」シリーズの投稿は、大きな反響を呼びました。
詳細は「2026 第9回 網路口碑之星 授賞式」公式サイトをご覧ください:https://dailyview.tw/dba2026/





